セーヌ川を挟んで、ルーヴル美術館の対岸にあたる地域。単純に言えば、サン・ジェルマン大通りの両側に広がっているのが、「サン・ジェルマン・デ・プレ」と呼ばれている地域です。一体そこにはどんな見どころがあるのか、まずはざっと紹介しておきたいと思います。
サン・ジェルマン・デ・プレ教会
この地区のシンボル的な存在とも言えるのが、パリ最古の教会「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」です。542年に修道院の一部として建築されたのが始まりでしたが、パリ司教の聖ジェルマンが埋葬されたのが、名前の由来となっています(576年)。
パリでは珍しいロマネスク様式を基調とした教会ですが、やはりと言うべきか、大革命の際にかなりの損傷を受けたこともあり、19世紀に大幅な改修工事が行われています。
サン・ジェルマン大通り
19世紀までは貴族たちが住み暮らす高級住宅地でしたが、1930年代からは知識人や芸術家などもたくさん集まる繁華街に変身。最近では、おしゃれなブティックなどが立ち並ぶ、シッピングエリアとしても有名です。
ちなみに上の写真は、サン・ジェルマン・デ・プレ教会の向かいにある Les Deux Magots です。文学カフェとしては超有名店ですので、教会見学の帰りには是非とも立ち寄ってみてください。
リュクサンブール公園
17世紀にアンリ4世の妃、マリー・ド・メディシスが造らせた、パリ市最大にして最も美しい公園。それがリュクサンブール公園です。面積は約25ha。ロダンやザッキンといった彫刻家の作品も各所に点在しています。
庭園内にはリュクサンブール宮殿もありますが、こちらは現在、フランス上院として使われていますので、内部の見学まではできません。
ナポレオンが眠る「アンヴァリッド」
サン・ジェルマン・デ・プレ地区の東の端にあるのがリュクサンブール公園とすれば、反対側の端にあるのがアンヴァリッドです。現在ではナポレオンの墓所のように思われていますが、本来は1676年に、傷病兵を収容する施設として建てられました。
実際、ナポレオンが眠るドーム教会のほかにも、シャルル・ド・ゴール歴史館や軍事博物館、立体地図博物館などが併設されています。
サン・シュルピス教会
ダン・ブラウン原作の映画『ダ・ヴィンチ・コード』の舞台になったことでも知られているのが、パリでも屈指の規模を誇るサン・シュルピス教会です。18世紀に再建されたことあって、外観はネオクラシック様式の建物となっていますが、そもそもは6世紀に創建された教会堂でした。
世界最大級のパイプオルガンやグノモンの日時計など、見どころは多々ありますが、中でも有名なのは、1856年に制作されたドラクロアのフレスコ画『ヤコブと天使の戦い』です。
アートに興味がある方には
アート関連の施設としては、パリ三大美術館の一つ、オルセー美術館を忘れるわけにはいきませんが、それ以外にもドラクロワ美術館がありますし、彫刻に興味があるのであれば、ロダン美術館はもちろんのこと、ザッキン美術館やマイヨール美術館などにも足を運んでもらえればと思います。
また、多くのアートギャラリーがひしめいているのもサン・ジェルマン・デ・プレ地区の特徴の一つです。街の散策を兼ねて、のんびりとギャラリー巡りをしてみる。そんな自由時間の使い方も意外と面白いかもしれませんね。
(以上)