パリ散策 #04 – ノートルダム大聖堂の必見ポイント(その1)

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パリ発祥の地にそびえるノートルダム大聖堂は、パリを代表するランドマークの一つ。教会建築としても初期ゴシック様式の大傑作と言われています。この教会の何がスゴイのか。見学の際の必見ポイントはどこか。そういった点をまとめてみました。

ノートルダムって、どういう意味?

ノートルダム大聖堂の建築が始まったのは1163年のことでした。もともとそこには、聖ステパノ教会と聖母マリア教会があったのですが、もちろんそれらを取り壊した上で、最新流行のゴシック様式で工事は開始されました。

photo by Martine
南側からみた大聖堂(バラ窓が何とも特徴的!)

ガイドブックの中には「1330年頃に完成した」と説明しているものもありますが、建物の基本部分は1250年には完成していますし、献堂式はもっと早く、1182年に行われています。
参照:教会を建てるのは数百年の仕事

photo by Nicolas Winspeare
ノートルダム大聖堂の遠景

正式名は、Cathédrale Notre-Dame de Paris(パリのノートルダム大聖堂)。ノートルダムというのは「われらの貴婦人」という意味ですが、もちろんここでは聖母マリアのことを言っています。要するには、聖母マリアに捧げる大聖堂、ということです。
参照:教会の名前には、どんな意味があるのだろうか?

正面入口の彫刻を見てみよう!

西側から見た大聖堂

西側にある正面入口からすぐに中に入るのではなく、ちょっと立ち止まって、まずは入口の上部にあるレリーフ(正確には「タンパン」といいますが)に注目してください。中でも有名なのは、中央にある『最後の審判』です。

西側正面入口のタンパン

ちなみに言えば、左側入口のタンパンは聖母マリアの物語、右側は聖女アンナ(マリアの母)の物語がテーマとなっています。

首を捧げ持つ聖人は……

左側入口の、そのまた左脇。そこには自分の首を持った聖人の彫刻があって、少なからず目を引きますが……。この人物、誰かご存知ですか?

photo by Curt Smith
聖サン・ドニの彫刻

聖サン・ドニと言います。初代のパリ司教なのですが、迫害にあって処刑場へと向かう道中、ローマの兵士に首をたたき切られたにもかかわらず、なんとその首を拾い上げて、近くの泉で洗った後、さらに行進を続けたという逸話の持ち主です。

結局サン・ドニは、パリから北へ5、6km行った場所で倒れ、息を引き取ったと伝えられていますが、後世、そこに建てられたのがサン・ドニ大聖堂というわけです(フランスの歴代の王たちが眠っている教会です)。

最新のゴシック様式を採用!

ノートルダム大聖堂だけを見ていると、「教会ってこんな感じなんだ」としか思えないかもしれませんが、それ以前のロマネスク様式の教会と比較すると、その違いは歴然としています。

photo by Atibordee Kongprepan
大聖堂内の様子

建築技法上の最大の違いは、重い石の天井を壁ではなく、基本的には柱で支えられるようになったことです。昔なら1mほどもある壁が必要でしたし、小さな窓を設けるのが精一杯でした。

ところが今や、天井の重みは柱が支えてくれますから、窓を大きくしても大丈夫。堂内が明るくなっただけでなく、ステンドグラスをはめ込むことで、神の家にふさわしい神秘的な光で満たされるようになりました。

photo by Jorge Láscar
側廊から見上げた堂内の様子

しかも半円ではなく、先の尖った尖頭アーチが採用されたことで、天井も高くなりました。堂内のメインとなる身廊部分では、天井の高さは35mにも及びます。

ノートルダム大聖堂に限らず、ゴシック様式の教会に入ると、アーっという感じで、つい頭上を見上げてしまいますが、実際、デザイン面も含めて、そういった効果を狙って造られているのがゴシック様式の特徴です(イタリアでは若干事情が違いますが)。

(以上)

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