「芸術の街パリ」とはいえ、特に画家たちに愛されている街といえば、やはりモンマルトルではないでしょうか。今回はそんなモンマルトルに残る、芸術家ゆかりの場所を紹介してみたいと思います。
モンマルトルとは?
オペラ・ガルニエのある地区から、さらに北に行った高台の街がモンマルトルです。パリを一望の下に見渡せるサクレ・クール寺院や画家たちで賑わうテルトル広場、さらにはおなじみの老舗キャバレー「ムーラン・ルージュ」があるのも、この地域です。
一言で言えば、古き良きパリが今なお残る街。狭い路地をそれこそ隅々まで、のんびりと歩いて回りたい。パリの中で、一番そう思わせる地域ではないでしょうか。
テルトル広場
サクレ・クール寺院の隣ともいえる場所にあるサン・ピエール教会。その西側入口の前にあるのが、画家や大道芸人で賑わう「テルトル広場」です。
もちろん似顔絵描きもたくさんいますから、作風と料金を確認した上で、一枚書いてもらうのもいいですね。
マルセル・エイメ広場
テルトル広場から西へ5分ほど歩いたところにあるのが、マルセル・エイメ広場です。エイメは小説家でもあり劇作家でもあった人物ですが(1902-1967)、ご存じないでしょうか?
『壁抜け男』は1943年に書かれた短編小説ですが、日本でも劇団四季によって何回か上演されています。ちなみに上の彫刻。透明術を使ったところまではよかったものの、壁抜けの途中で術が解けちゃった……という場面ですね。
アトリエ洗濯船跡
洗濯船というのは、ピカソが4年間住んでいた安アパートのこと。歩く時に出るギシギシという音が、セーヌ川に浮かぶ洗濯用の船を連想させたことから、そう呼ばれたわけです。
短い期間とはいえ、「青の時代」の名作の数々や『アヴィニョンの娘たち』が生まれたのは、この洗濯船に住んでいた時代でした。ただし残念なことに、アパートは1970年に焼失。今はギャラリーに様変わりしています(だから洗濯船「跡」なのですね)。
ゴッホの家
有名画家ということで言えば、ゴッホが1886年当時、2年間住んでいた家があるのも、この地域です。
ジュテームの壁
ジュテームというのは、つまりはアイ・ラヴ・ユーのフランス語ヴァージョンですが、いずれにしても「愛してる」を世界のいろんな言葉で書いちゃった、というのが下の作品。決して落書きではありません!
アベス公園という名前のそれこそ小さな公園にあるのですが、この作品、結構有名ですので、モンマルトルに行くことがあったら、是非とも訪ねてみてください。
(以上)