ファッションやグルメはもちろんのこと、芸術鑑賞からショッピングに至るまで、さまざまな魅力に満ちあふれた町といえば、やはりパリが一番ではないでしょうか。今回からしばらくの間、そんなパリの魅力についてお伝えできればと思います。
パリの町はエスカルゴ!
本格的に話を始める前に、まずはパリの全体像を確認しておきましょう。下の画像、薄い緑色の部分がパリの町にあたります。1区から20区までありますが、中心から外側に向かって、しかも時計回りに番号が振ってあるのが面白いところですね。
私などには、まるでロールケーキのように見えますが、一般的には「パリはエスカルゴの町」と言われているようです(カタツムリですね)。ちなみに、周囲を取り囲んでいる茶色い線は高速道路です。
セーヌ川の右岸・左岸とは?
青い線は、言うまでもなくセーヌ川を示したものですが、このセーヌ川、どっちを向いて流れているかご存知でしょうか?
答えは東から西。画像上で言えば、右から左です。セーヌ川はパリを過ぎたあと、最終的にはイギリス海峡まで流れていきます(なお、画像上では左下で途切れていますが、実はそこで大きく曲がって、左上の部分につながっていきます。ものすごく蛇行しているわけですね)。
また、パリの話をする時には、セーヌ川の右岸・左岸という言い方がよく使われますが、これはどういった意味かおわかりでしょうか。一般的に言って、川の流れと同じ方向を向いた時、右側に来る方が右岸。左側に来る方が左岸にあたります。
セーヌ川は東から西に流れているわけですから、パリ市内に関して言えば、セーヌ川の北側が右岸、南側が左岸ということになります。大雑把な特徴としては、右岸は商業の町。左岸は学生街といった雰囲気の感じられる場所。そんな風に言われています。
パリ発祥の地は?
では、パリの中心とも言える1区から、パリは始まったのでしょうか? 1区は北西から南東へと細長く延びていますが、その一番西にあるのがチュイルリー公園で、その隣がルーヴル美術館です。ルーヴル美術館は元王宮ですから、ここが発祥の地だと話は簡単なのですが……。
実は歴史的に見ると、パリ発祥の地はシテ島と考えられています。上の地図を見ていただければわかるとおり、セーヌ川の中州になっている部分がありますが、それがシテ島です(区割りで言えば、島の西側が1区で、東側は4区)。
中州と聞くと、なんとなく「不便な場所」というイメージを持ってしまいがちですが、でもよく考えてみると、防御施設を設けるには、これほど理想的な場所はありませんし、セーヌ川の水運を上手に活用すれば、交易によって大きな利益を得ることも可能です。実際、その利点を大いに活かして発展したきたのがパリの町だったのです。
(以上)