スペイン近郊への旅
スペイン旅行といえば、やっぱり首都マドリッド。そんな方が多いと思いますが、マドリッドだけで終わりでは、ちょっともったいなくはないでしょうか。
そこで、少し足を延ばして欲しいということで、マドリッド近郊の人気観光地を何ヶ所か紹介してみたいと思います。第1回目は古都セゴビアです。
セゴビアって、どんな町?
セゴビアは、マドリッドから北北西に80kmほど行ったところにある小さな町です。もちろんお目当ては、世界遺産にも登録されている旧市街です。特に、ローマ時代に築かれた壮大な水道橋は一見の価値があります。
ローマの水道橋はまさに圧巻の存在!
旧市街はエレスマ川とクラモレス川という二つの川に挟まれた高台にあります。地図で見ると細長い三角形のような形をしており、その頂点から底辺のところまでを測ったとしても、はたして1.5kmあるかどうかという狭い地域です。
その底辺のところにあるのが、2000年ほど前に造られたローマの水道橋です。水源が近くにあったというわけでもなく、導水路の距離は17kmもあったそうです。
ちなみに、水道橋の長さは813m、一番高い所で28mあります。8階建てのビルの高さというのも驚きですが、接着剤のようなものを一切使わず、ただ石を空積(からづみ)しただけで出来ています。
しかも、1コの石の重さたるや、数トンはあろうかというのですから、ローマ人の技術力の高さには、ただただ感服するしかありません。
大聖堂を経てアルカサルへ
個人旅行の場合であれば、水道橋のところでタクシーを降りて、あとはアルカサルへの道をのんびりと歩く。そしてアルカサルからは、また別の道を通って水道橋のところまで戻ってくる。それが定番の散策コースです。
大聖堂のある場所が、旧市街の中心「マヨール広場」です。水道橋からマヨール広場までの道には、多くの店舗が建ち並んでいます。
散策の終着点はアルカサルです。ディズニー映画『白雪姫』の城のモデルとも言われている、スペインでも一番ロマンティックなお城の一つです。15世紀の中頃までには工事は完成していたようですが、1862年の火災で損傷したこともあり、内部に関しては全面的な修復が行われています。
もし足に自信があるようでしたら、ぜひとも塔に上ってみてください。階段の数は152段ありますが、セゴビアの町はもちろん、カスティーリャの大地が一望のもとに見渡せます。
旧市街の風情を味わいながら
アルカサルからの帰り道は、家の様子でものんびりと眺めながら歩いてみましょう。小さな町ですから道に迷うことはありませんし、もし迷っても、上を見上げれば大丈夫。大聖堂かアルカサルの塔がちゃんと目印になってくれます。
石の色が、天候や時刻の違いに応じていろんな表情を見せてくれるところが、とても面白いですね。
観光スポットだけであれば数時間で見て回れますから、マドリッドからの日帰りツアーに参加しても十分に楽しめますが、もしできるのであれば、一泊してその魅力を存分に味わい尽くしていただければと思います。