イタリアを代表する高級リゾート地、カプリ島をご紹介します。イタリアの観光地ランキングでも常に上位に来るだけあって、島内にはいろいろな観光スポットがありますが、中でも人気なのが「青の洞窟」です。はてさて、一体どんな場所なのでしょうか?
皇帝にも愛された「夢の島」
カプリ島という名前だけを聞いていると、イタリア本土から遠く離れた地中海上に、何かぽっかりと浮かんでいる姿を想像しがちですが、実はナポリのすぐ南。ナポリ湾の入口というか、ソレント半島の先に位置しているのがカプリ島です(実際その美しさから、「ナポリ湾の真珠」とも呼ばれています)。
紀元前の1200年頃にはフェニキア人が、そして同じく紀元前の800年頃からはギリシャ人がこの島を利用していましたが、古代ローマの皇帝ティベリウスに至っては、この風光明媚な島をいたく愛し、その治世の最後の10年をこの島で過ごしたと言われています。
岩壁に囲まれた島「カプリ島」
カプリ島の大きさは、東西が6kmで南北は3kmほど。北岸の港マリーナ・グランデと南岸の港マリーナ・ピッコラを結んだ部分がくびれており、そこだと南北約1kmほどしかありません。
低くなっているのは、港の辺りだけ。全体として見れば、断崖絶壁に囲まれた島。それがカプリ島です。石灰岩でできた島とあって、島の周りには多くの洞窟がありますが、お目当ての青の洞窟があるのは島の北西部分です。
「青の洞窟」へ、いざ出発!
ナポリからの船は北のマリーナ・グランデに着きますが、青の洞窟への出発点となるのも、同じマリーナ・グランデです。20~30人乗りのモーターボートが待っていて、人数が揃い次第、出発していきます。
青の洞窟は入口が狭く、せいぜい1m程度しか開いていませんので、洞窟の手前まで来たところで、4~6人乗りの手漕ぎのボートに乗り換えます。もちろん、座ったままでは無理ですから、みんな仰向けの姿勢になって入って行きます。
入口とは違い、意外にも内部は広々としています(奥行き57m、幅30m、高さ15m)。海上とあって、潮の満ち干が気になるかとは思いますが、地中海では干満の差があまりありませんので、天候にさえ問題がなければ、朝から日没の1時間前までは観光が可能です。
おすすめの時間は正午前後
もちろん青の洞窟とはいえ、いつでも神秘的な海の色が楽しめるわけではありません。この青色、基本的には太陽の光が海底の石灰岩に反射して、そのおかげで見えるものなのですが、それだけに光の強さや角度によって、同じ青でも色合いが全く違ってしまいます。
おすすめは夏の時期。時間はお昼前後が一番と言われていますが……、ただし観光客が多い時期ともなると、手漕ぎボートに乗り換えるのに、1時間以上待たされることも覚悟しなければなりません。
注意点を少しばかり
団体ツアーは別として、基本的には11月中旬~3月中旬は洞窟に入ることができませんので、その点、注意してください。平均の所要時間は約1時間半。洞窟までの往復料金と、手漕ぎのボート代(それにチップ)、さらには洞窟への入場料。全部合わせて30ユーロを少しオーバーする程度の費用が掛かります。
また、青の洞窟見学を含めて、カプリ島をぐるっと一周してみたいという方には、所要時間約2時間のツアーも用意されています。
なお、青の洞窟へは陸上から行くことも可能ですし、実際、バスを使えばさほど時間はかかりません(ただし、海からの眺望が楽しめるという点では、船を使う方が人気です)。石段を降りると洞窟の手前に出られますから、そこで手漕ぎボートに乗り換えます。
(以上)